WAIS-IVを受けた

こんにちは。先日病院でWAIS-IVを受けてきたので、その記録を残しておこうと思います。

 

WAIS-IVとは

WAIS-IVというのはウェクスラー式知能検査の成人用、WAISの第4版のことで、大人向けのいわゆるIQテストです。言語理解知覚推理ワーキングメモリ処理速度という4つの指標のそれぞれのIQと、それらを合わせた全検査IQを知ることができます。

検査項目は全てで15あり、そのうち10は必須の基本検査、残りの5つは必須ではない補助検査です。補助検査が実施されるかどうかは検査を担当する心理士さんの判断によるみたいです。

 

 

検査項目

以下では検査項目の内容を記載しています。実際に出題された問題はできるだけ言わないようにしますが、これからWAIS-IVを受ける予定のある方は検査の傾向を知ってしまうと正確な結果が出ない可能性があるので、閲覧は自己責任でお願いします。私は全く下調べをせずに受けました。

 

言語理解

類似、単語、知識が基本検査で、理解が補助検査です。4つとも実施されました。全体的に答え方にかなり個性が出そうな検査だったので、どう答えたら正解ということになっていたのか気になります。

 

類似

心理士さんが2つの単語を言うので、その共通点を答えます。始めに簡単な例題として、「なな、と、に、はどこが似ていますか」と聞かれて、漢数字でどちらも画数が同じ?mod 5が2?とか長考してしまい、結果的に「な行」と答えてこの人大丈夫かみたいな空気が少しだけ流れたような気がしました。(ちなみに答えは「数字」)その後は雰囲気をつかんでサクサクと回答できたと思いますが、何度か心理士さんからより詳しく説明するように求められました。真逆の意味を持つ単語のペアが出題されることがあったのですが、それらの共通点を考えるのは結構楽しかったです。

 

単語

カードで単語を提示され、その意味を答えます。「りんご」に対して「涼しい地方で育つ赤くて甘い果物」みたいな。結構できたと思いますが、後半になってくると提示される単語が抽象的になってきて少しやりにくく感じました。意味に確信を持てなかった単語も一つありました。これも何度か詳しく説明するように求められた設問がありました。

 

知識

「フランスの首都はどこですか」「パリです」みたいな問題から始まって段々難しくなり、後半では知らない人もいるかもしれないかな、くらいの難易度の質問をされます。絶対知っているのに思い出せなくて答えられなかった質問があり悔しかったです。これ知能指数とかじゃなくて勉強量の問題では、と思いました。

 

理解

世の中の様々なことの理由についてきかれます。「山に木を植えるのはなぜですか。理由をいくつか答えてください」とか普段考えないような質問ばかりであまりいい回答ができた自信がないです。何問かは頭の中お花畑な世界観になってしまい恥ずかしかったです。

 

知覚推理

積木模様、行列推理、パズルが基本検査で、バランス、絵の完成が補助検査です。バランス以外の4つを実施しました。この項目がめっちゃ出来たら天才っぽい気がします。

 

積木模様

赤と白に塗られたブロックを使って、渡されたカードと同じ模様を作ります。時間を計測していたみたいで、一問ごとに終わったら声をかけてくださいと言われていたのですが、一度だけ声をかけ忘れて長めに記録されてしまいました。

 

行列推理

図形がたくさん並んでいて一か所だけ空いているところに何が入るか選びます。ネットのIQテストのやつです。ほとんどできたとは思いますが、時間が測られていることもあって焦ってしまい、最後の方の1,2問ちょっと微妙でした。

 

パズル

カードに書かれた図形を完成させる3つのピースを4択?6択?の中から選びます。これはそんなに難しくなかったので、少し時間をかけたものも1,2問あるとはいえほぼ全問正答ではと予想しています。

 

絵の完成

絵の中に欠けている要素があるのでそれを指摘します。

これが受けた全ての項目の中で一番難しく感じました。例題で眼鏡をかけた顔の鼻の部分だけつるがない絵が出されたのですが、この時点で見つけるのに結構時間がかかってこれはまずいのではと既に不安でした。

(↓絵が下手ですみませんがこういう感じです)

 

結構問題数があったように記憶していますが、頑張って長考しても全然わからなくて時間切れになってしまい半分もまともに答えられませんでした。これできる人すごすぎる。

 

ワーキングメモリ

数唱、算数が基本検査で、語音整列が補助検査です。すべて実施されました。

 

数唱

心理士さんが1桁の数字をいくつか言うので、①そのままの順番 ②逆順 ③昇順 で復唱します。ほぼ全てできたと思いますが、数字が増えてくると逆順や昇順で間違えそうになりました。

 

算数

小学生レベルの算数の文章問題を口頭で出されて口頭で答えます。はじめは「バスの中に5人います。バス停で2人降りて3人乗りました。いまバスの中には何人いますか」みたいな感じなのですが、段々数字と問題設定が複雑になってきて覚えきれず、2回ほど問題を聞き返してしまいました。暗算は問題なかったのに…悔しい

 

語音整列

数唱にひらがなが混ざったバージョンです。数字とひらがなを混ぜこぜに言われて、数字を先に、ひらがなを後に言います。例によってそれぞれ①そのままの順番 (②逆順 あまり記憶にないので無かったかも) ③昇順 で答えます。例えば昇順の場合、「2 あ い 1」と言われたら、「1 2 あ い」です。後半になって個数が増えてくると訳が分からなくなってくるし、そもそも50音の順番ってすぐ分からない(頭の中で一度あかさたな...と確認する必要がある)ので結構大変に感じました。

 

処理速度

記号探し、符号が基本検査で、絵の抹消が補助検査です。基本検査だけ実施されました。

 

記号探し

右側の記号の列の中から左側で指定された2つの記号のうちどちらかがあればそれに丸をつけ、なければ「なし」に丸をつけます。冊子の問題を時間内になるべく多く解かなければならないのですが、結構問題が残っていたのでそんなにできなかった方かな。

 

符号

1~9の数字に対してそれぞれ指定された簡単な記号を時間内になるべく多く書きます。100マス計算みたいな気分でした。これも結構まごついてしまってあまりできなかったです。これ終わる人いるのでしょうか。

 

検査後の所感

まず、私は面接全般がすごく苦手です。したがって受ける前は、狭い部屋で心理士さんと1対1で自分の能力を測られるというのはすなわちタイマンのバトルであり、そういった形式のWAISでは緊張して実力を出し切れないのでは、という心配があったのですが、心理士さんがいい意味で人間味をあまり出さないでいてくれたのでそこまで強烈には緊張せずに済みました。

検査の感触としては、言語とワーキングメモリの項目は比較的スムーズに答えられたので平均以上ありそうです。知覚推理はもう少し確信をもって答えたかったけれど、思っていたよりできなくて悔しい。処理速度は弱い気がします。コツをつかみきる前に時間が来てしまった印象ですし、普段からモタモタしている自覚もあります。恐らく比較的できている項目に対して補助検査が実施されたのではと踏んでいるので、その点からみても処理速度が優れているということはなさそう。

総合してまあ平均の少し上くらいじゃないかなと予想しています。

 

結果

総合:133、言語理解:128、知覚推理:128、ワーキングメモリ:125、処理速度:124でした。

思っていたより全項目同じくらいできていたみたいです。得意不得意がもう少しはっきりしていれば面白かったのにな…。検査ごとの出来としては、やはり知覚推理の絵の完成が低かったですが、感触と反して半分以上はできていたみたいでした。また、言語理解の類似がそれと同じくらいの出来で驚きました。そういうのも比較的苦手らしいです。というか、できていると思っていた検査でも割と間違えていた。

検査結果からわかる特徴としては、

・情報を直感的に捉える傾向があり、物事を精査する前にパッと判断しがちである

・知識を整理して関係を見出したり本質を捉えることが苦手な傾向がある

・視野が狭まりやすく一つの考えが堂々巡りしがちである

ということでした。つまり、思い込みやすくて頭が固いということでしょうか。意識して矯正していこうと思います。

 

まとめ

思うところあって人生で初めてメンタルクリニックに行ったのですが、怖い場所じゃなくて安心しました。皆さんも何かあったら行ってみるといいのではないかと思います。